2010/08/17

かまうぃたちの夜(復刻版)

第12章 見えない犯人
「このライフルは犯人だけじゃなくミスした仲間も成敗するから気をつけてね」
真理の一言だけが心の支えだ。
「どこから手をつけるのがいいかな?」
リーさんが誰にともなく尋ねた。

ぼくは言った
「2階から調べましょう」
どちらかというと2階のほうが犯行現場に近くて危険な気がした。
だから、早めに調べて早めに下に降りたいというのが正直なところだ。

2階はすべて客室で、それらを一つ一つ見て回る。
クボータさんがノブを握ると、ぼくとリーさんがショットガンをかまえ、ドアが開くと同時に部屋に突入する。
「いいか、Go!」
「クリア!!」

ぼくとりーさんでベッドのからかばんの中まで調べ、クボータさんが部屋の全体を、香山さんとミッキモーさんが周囲を見張る。
そうやって一つ一つの部屋を、換気口まで捜索して行った。

最初は銃口定まらずといったところだったが、同じことを繰り返すうち、だんだん慣れてきた。
リーさんも同じらしく、ふざけてOL3人組のクローゼットに発砲したりしていた。
OL3人組の衣類がはちの巣状態だ。

「は・・・はは・・・どんな奴が出てきても、だ、大丈夫ですよね」
「そ、そうだよ。 ショットガンさえあれば」

「リーくん、あのドアはなんや」
香山さんが廊下の突き当たりのトビラを指差しながら言った。
「あぁ、物置みたいなもんです。 モップとかイケない子とかお仕置きするための。 人間は・・・・・・大人だと隠れられるかどうか・・・・・・」
近づくとぼくたちの耳に、ガサッという音がはっきりと聞こえた。

全員がぎくりとして足を止める。
ミッキモーさんが目をぎょろつかせて、ぼくを見る。
『一気に片を付ける』
その目はそう言っていた。

ぼくはショットガンを持ち直し、首を縦に振る。
トリガーにかける手に、汗がにじむ。
ノブに手をかけたリーさんが、みんなの顔を見回した。
ぼく、ミッキモーさん、クボータさん、そして少し離れたところから香山さん。
四人が一斉にうなずいた。

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