2009/09/09

かまうぃたちの夜(17)

第17章 後日談
あれから数年の月日が流れた。
一応自己紹介しておこう。
ぼくは透、もうすぐ大学を卒業し、香山さんの会社に内定し、東京支社立ち上げメンバーに入社前ながら選ばれた。
トリプルクリックは役に立たないと言われたが、両手足で4つのマウスを同時に操作できますっていったら、即内定となった。
「真理!」
「あ、透。 ひさしぶりね」
彼女は真理。 リーおじさん亡き今、麓の大学に転入し、今日子さんらとともにペンションで働いている。
「このペンションも変わったね。」
「あら、そう?」
あれからペンションもリフォームし、武装ペンションもすっかり対テロ要塞ペンションに変貌してしまった。
「真理、力仕事とかあったら手伝うよ」
「ありがとう、透。 じゃあ非常用の脱出路作っといて、麓まで。 クボータさんがいなくなってから誰も作ってくれなくなっちゃったから。」
「あ、うん。 でも雪を掘ってるだけじゃ雪溶けでなくなっちゃうよ。」
「いいの、そしたらまた来年も・・・ううん、毎年掘ってくれればいいから。」
「真理、それって・・・・・・」
真理はうつむき、顔を赤くし、照れくさそうにしている。
もしかして・・・・・ついに、ぼくにも春が・・・・・!!
「ペンション経営のための固定客になって、お金いっぱい落としていってね。」
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
ぼくは、いつか雪が溶けて春が来ると信じている。

終わり

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