2009/09/08

かまうぃたちの夜(16-2)

第16章 そして天空へ
(2)
クボータさんの影から、香山さんが飛び出す。
「写真部OBなめたらアカンでえええええぇぇ!!!!」
フラッシュたきまくりで犯人達を怯ませる。
スプリンガーさんも、どこからか一眼レフを取り出して、撮影会が始まる。
ぼくも、あとに続く。
圧倒的なフラッシュに、犯人達もたじろぐ。
なぜか水着に着替えたグリーンさんがカメラの前に立ち、ポーズをキメ始める。
「透くん、もっと下アングルから撮ってぇ!」
・・・・ゲレンデがシーズンオフの時はこんなアルバイトをしているのかな?
なんてことを考えていると、外からエンジンのような音が聞こえてきた。
「なぁ、あれスノーモービルの音と違うか?」
フラッシュをたきながら香山さんが叫ぶ。
そういや、被写体がグリーンさんだけになっていた。
「私のスノーモービルだ!!!」
りーさんが玄関から飛び出していった。
「あなた、スノーモービルはもう一台隠してるの! 裏口の横よ!!」
「俺も行きます!!」
りーさんとクボータさんが裏口に回り、もう一台のスノーモービルが音速で去ってゆく。
残されたぼくらは、静寂の中に取り残され、ずっと玄関を見ていた。
「ふふ・・・そろそろ追いついた頃ね」
突然、今日子さんが笑い出し、ポケットから何やらリモコンのようなものを取り出した。
「な・・・・何ですか、そ・・」
それはと言おうとしたとき、窓から激しい光が入ってきた。
そして、少し遅れて爆発音も。
あぁ、どこかで聞いた音だ。
まるで、さっきペンションを捜索するときに使った閃光弾のよう・・・。
「あ・・・・雪崩かしら?」
真理には爆発音の後の激しい音が何かわかるらしい。
まぁ、雪山で衝撃があれば雪崩が付き物だけど。
「違うわ、プラズマよ! プラズマが襲ってきたのよ!!!」
亜希ちゃんが叫ぶ。
え? 何こいつ?

0 件のコメント: