2009/08/19

かまうぃたちの夜(9-1)

第9章 鳩のなく夜
鳩時計が鳴る。
みんなが一斉にそちらを見た。
(パッポッ)3・・・・・・。
(パッポッ)4・・・・・・。
(パッポッ)5・・・・・・。
(パッポッ)6・・・・・・。
(パッポッ)7・・・・・・。
(パッポッ)8・・・・・・。
(ポッポポッポポッポッポーッポッポッ)9・・・・・・。
9時だ。
鳩が鳴きやむと、みんな頭の中で何でギロッポン歌ったのか深く考えていた。
窓枠ががたがたと鳴り、分厚いガラスが割れそうに思える。
「あれ、ギロッポンは1カウントじゃないわよね」
嬉しそうに三人組の可奈子ちゃんが言う。
「やだ。縁起でもないこと言わないでよ。超長い1カウントじゃないの、アレに続いて気持ち悪い・・・・・・」
啓子さんは言いかけて、かっぱえびせんを口に放り込んだ。
・・・・・・まだ食うのか。
「アレって、何です?」
ミッキモーさんがのんびりと尋ねる。
ぼくは何とかフォローしようと思い・・・・・・。
「昨日、イアン・ソープが泊まりに来たんですよ」
「ええっ、ほんとですか?」
ミッキモーさんが驚いて目を丸くする。
「あれ? 玄関から入る前に、つまみ出しといたはずだがなぁ・・・・・・」
リーさんが首をひねった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
皆、目が点になった。
「うそっ、うそっ! 冗談ですよ。もう、みなさん、簡単にひっかかるんだから・・・・・・」
リーさんは、大きく手を振っておどけた。
啓子ちゃんが胸を撫で下ろす。
「なぁんだよかった・・・・・・。私、ソープ、5回も川で泳がしちゃったから・・・・・・」
意味がわからんが、とりあえずイアンさんが可哀想だよ・・・・・・。

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