2009/08/12

かまうぃたちの夜(5)

第5章 野球とサッカーとカバディ
そんな感じで味噌自慢話を聞いているところに、二階から中年夫婦の男性の方が降りて来た。
「おぉ、兄ちゃん、テレビ観てもえぇかな?」
気さくに聞いてくる。
「あ、どうぞどうぞ」
僕が答えると、…たしか、香山とかいう中年の人がおもむろにリモコンをイジり始める。他愛もないニュース番組を見て、チャンネルを次々変える。
「あかん、どこもやってへん…兄ちゃん、今日の阪神どうなったかわからん?」
「え? 今、ニュースで横浜と延長にって…」
「あ、それは1軍やがな。2軍のファンやねん。」
知らんがな。ネットで調べろや。…と言ってしまいたかったが、我慢した。
「香山さん、うちはサッカーしか見せないって言ったでしょう」
リーさんが声をかける。
何このペンション?
「あぁ、リーさん…いや、別にそんなつもりやないんや。」
「奥さんがどうなってもいいんですか。結婚してからラブラブで離れたこともない。そうおっしゃったのは香山さんでしょう…ヒヒヒ…」
そこまで喋って、リーさんは僕たちが見ていることに気付いてヨダレを拭いた。
「あぁ、一応紹介しとこうか。この子は私の姪で、将来メイドになる真理です。こっちはその御主人の透君」
真理の…主人?
「やだ叔父さん、埋めるわよ」
ぼくのメイド(仮)が言い返す。
「そうかー、よかったなぁ。」
そう言ってくれた香山さんをヤラしい目つきで眺め回す。
「な、何やねんな。この体は家内のもんやで!」
じゅる…

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