第12章 犯人よりも犯人らしく
「私の愛刀が錆びさせないように気をつけてね」
真理の一言だけが心の支えだ。
「どこから手をつけるのがいいかな?」
リーさんが誰にともなく尋ねた。
ぼくは言った
「一階から調べましょう」
一階には、談話室を除くと・・・・・・。
食堂とキッチン。
グリーンさん、クボータさん達のスタッフルーム。
リーさん夫婦の部屋。
手術室なんかがある。
それらを一つ一つ見て回る。
リーさんがノブを握ると、ぼくとミッキモーさんがスタンガンでノブに電気を流し、リーさんごと閃光弾を部屋に押し込む。
「いいか、開け…ピギャーーーー!!!! ぁおっ、あっーーー!!!!」
リーさんごと閃光弾が炸裂したところで、リーさんはベッドのあたりで痙攣する。
そしてぼく達は、ライフルと対空用ミサイルを構えながら、中へと入ってゆくのだ。
そうやって一つ一つの部屋を、ベッドの下まで捜索して行った。
全員が一つの部屋に入ったのはでは、その間に逃げられる恐れがあるというので、中を調べるのはぼくとミッキモーさんだけ。
最初はびくびく痙攣していたリーさんだったが、同じことを繰り返すうち、だんだん泡を吹くようになって来た。
ミッキモーさんも面白いらしく、閃光弾を2個リーさんのポケットに押し込んで突き飛ばしたりしていた。
「どんな奴が出てきても、リ、リーさんごと投げれば大丈夫ですよね」
「そ、そうだよ。 リーさん投げれば」
一階では2~3人見知らぬ人とすれ違ったが、挨拶してくれたので関係ない人達だろう。
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