第4章 メッセージと姪ド
(2)
「どうする?」
三人は顔を見合わせ、話し合い始めた。
「あたしやっぱり気持ち悪い」
亜希ちゃんだ。
「こっちのおじさんのほうが気持ち悪くね?」
可奈子ちゃんが応える。
「あははぁー、モーキーだよモーキー。おじさんモーキーだぁ」
啓子ちゃんが、現代語を言い出した。
「テレビなんかいいでしょ!なにしに来てるのよあんたは。あたし達はテレビ見に来たのよ、テレビ見に!」
可奈子ちゃんが怒り始める。
「分かってるけど・・・でも今日は見逃せないの。『ヤマサン』の最終回なんだもん」
ぼくは50回くらいしか見たことないが、確か『山の桟橋』という旅番組風ドラマだ。
しばらくもめていたが、結局、つまらないいたずらだし、部屋を替えてもあまり意味がなさそうだということで、彼女達は引き下がって部屋に戻って行った。
「でも、誰がこんないたずらするかしら。子供は泊まってないし・・・」
そう言うと真理は、いたずらっぽい目をぼくに向けた。
「子供作らない、透?」
とんでもないことを言い出す。リーさんがおどろいてぼくを見る。
「冗談じゃないよ。何でぼくが君の子を産むんだ・・・」
慌ててトンチンカンな抗議した。
「そうよね。いくら透でもそんなことしないわよね」
何かひっかかる言い方だが、まあいいとしよう。
その時、フロントの電話が鳴り始めた。
驚いて、リーさんが泣き始めた。
「ったく、リーさんは…はい、チョルチェンです」
「みゃあみゃあ、みゃ!!!」
代わりに電話を取ったのはいいが、相手が名古屋の人という事以外よくわからない。
「予約していたものですが、今ようやく駅のあたりまで来ましたって言ってるわ」
なんだ、真理も名古屋育ちだったのか。
だからカバンにマイ味噌5キロ詰めて来たのか。
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