第8章 団らんの時間
(2)
「あの、男の方はどうされます? ちょっとキモい感じの・・・・・」
こっちへ振り向き、聞いて来る。
あの変態のことだろう。
「ああ、そんな奴いたっけ? 一応、ドアの隙間からガソリン流して反応見てくれ」
「えー、あたしやだなぁ」
「嫌ならいいよ。リアクションしてくれそうなタイプでもなさそうだし。」
「よかった」
グリーンさんは三人組の部屋の前で紅茶を流した。
「オーナー!飲みたいそうです。床の分を舐め干したら来るって!」
流し終え、下に向かって叫ぶ。
「もうちょっと従業員らしい、丁寧な言葉遣いができんもんかな・・・・・」
リーさんは苦笑して呟く。
「本当ですよね。最近の若いメス豚は・・・全く・・・知性のかけらもなく、エロいだけだよ・・・」
苛立たしげに同意した。
「若いメス豚・・・・・ね、ふぅん、私も含むのかしら?」
真理がチラリと冷たい視線を向けた。
「うんっそぅっ、ごほごほ・・・・・・」
ぼくは思いっきり咳をしつつ肯定した。
「じゃあ、もう三人分、用意してきますね」
今日子さんが、スキー板を持って台所へと消えた。
「いやあ、ここはえらい曲芸サービスなんですねえ」
ミッキモーさんは床を舐めながら関心した。
…まだアニマライズ・グッドケーキ食ってたのかよ。
「いや、とにかく、人をもてなすのが好きではじめた訳ですから・・・」
リーさんはミッキモーさんを踏みつけながら照れている。
3人組はすぐに降りてきた。
「ナオハムスニダァ」
「ちょっと、さっさと降りてよブタ子」
「まだテレビ見たかったのに・・・」
あっという間に騒々しくなる。
「わぁー加齢臭っぽい香りー」
「服、失礼しまーす。」
「だから、ブタ子。服かじらないでってば」
人が増えて来たので、ぼくたちはイナバ物置の上に腰掛けることにした。
それでも、100人乗っても大丈夫だ。
ぼくが座ったところで、リーさんが紅茶を持って来る。
「クボータくんにも声かけたんですけどね。テレビを分解しているらしくて今はいらないそうです」
「いただきまーす」
声をそろえて、一斉に紅茶を持った今日子さんに飛びかかる。
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