第3章 夕食かぁ…
(2)
そんな会話をしているうちに食事を終えた人々が、三々五々、食堂を出て行く。ぼくのデジタル時計は19:55を示している。
「さてと。私たちもそろそろラーメン屋行きましょっか」
真理が信じられないことを言って立ち上がった。
「うっせぇな、伏せてろっつただろ」
ぼくもそう言い返してホフク前進の準備をした。
「スイスの天気予報聞いてる限りじゃ、ラーメンどころじゃなさそうよ」
裸エプロン姿のグリーンさんが、横から口を挟む。
「当分、ここから出ない方が良いみたい」
うっせぇアルバイター・グリーン、JKかババアかわかんねぇんだよ。
暇なときは日向ぼっこしているのか、顔も髪も髭もすっかり雪焼けして、まるで男のようだ。 …髭? まぁいいや。
「そんなに激しいんですか?」
僕は思わず聞き返した。
「予報を翻訳サイトで訳しながら観てたんだけど、『僕、です。悲しい降る』って言ってたからね」
今度は、もう一人のアルバイト、クボータがやって来た。
クボータは自称小学18年生、サーフィン好きが高じて、単位そっちのけでバイトをしているのだという。身長は屋根を越えていて、戦闘機はもちろん、UFOもたまに打ち落とす体つきをしている。
こういう人の前に立つと顔を見上げるだけで首が痛くなる。鳥の唐揚げヤるから、下に来てほしい。ぼくは真理の反応をうかがった。
真理の方が唐揚げに興味を示している。
…うぜぇ。
「向こうの空まで雲があるから、まぁ2・3日は延びるかも知れないね。」
「もちろん、宿泊代安くするために部屋を一緒に…」
「透、3日は喋らないでって言ったでしょ。」
当然、泣いた。
ホフク前進のまま廊下に出た。
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